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制作会社が実務で使う「WordPress×ACF」カスタム投稿の活用例

制作会社が実務で使う「WordPress×ACF」カスタム投稿の活用例

WordPressは、専門的な知識がなくてもWebサイトを更新しやすいCMSとして、多くの企業サイトで利用されています。

お知らせを追加したり、ブログを投稿したりといった基本的な更新であれば、WordPressに標準で用意されている「投稿」や「固定ページ」だけでも十分対応できます。

しかし、企業サイトを長く運用していると、

  • 「施工事例を定期的に追加したい」
  • 「スタッフ紹介を自社で更新したい」
  • 「実績や商品情報を決まったレイアウトで掲載したい」

といった、通常の記事投稿とは少し異なる形式のコンテンツを継続的に更新が必要になることがあります。

こうした情報は、掲載する内容や項目がある程度決まっている一方で、通常の投稿画面では入力する場所やレイアウトを更新担当者がその都度判断しなければならないことがあります。

そこで制作会社がWordPressサイトを構築する際によく利用するのが、「カスタム投稿」とプラグイン「ACF(Advanced Custom Fields)」です。

カスタム投稿タイプは「施工事例」「スタッフ紹介」「物件情報」など、コンテンツの種類ごとに管理メニューを分けるために使います。
一方、ACFは「画像」「価格」「住所」など、コンテンツごとに必要な入力項目を追加するために使います。

この2つを組み合わせることで、更新担当者がそれぞれ決められた項目に入力するだけで、Web制作の知識がなくても、サイトのレイアウトを保ちながら情報を追加・更新しやすくなります。

この記事では、カスタム投稿とACFを活用することで、企業サイトの運用にどのようなメリットがあるのか、具体的な活用例とあわせてご紹介します。

目次 - Index -

8810文字

読み終わる時間の目安:約15分

なぜ「標準の投稿機能」だけでは不十分なのか?

WordPressには、最初から「投稿」と「固定ページ」という代表的なコンテンツ管理機能が用意されています。

「投稿」はブログやお知らせのように継続して追加する情報、一方、「固定ページ」は会社概要やサービス紹介のように独立したページを管理するときに使うのが一般的です。

更新する情報が少ないうちは、この2つだけでも問題なく運用できます。

しかし、施工事例や商品情報、スタッフ紹介など、定期的に更新するコンテンツの種類が増えてくると、標準の投稿機能だけでは更新や管理に手間がかかる場面も増えてきます。

投稿と固定ページだけでの運用の限界

企業サイトでは、コンテンツの種類によって掲載する情報が異なります。

たとえば施工事例であれば「施工場所」「工期」「施工内容」、セミナー情報であれば「開催日時」「会場」「参加費」など、それぞれ必要な項目があります。

通常の投稿画面では、タイトルと本文を中心に自由に内容を入力できる一方、こうした項目ごとの入力場所があらかじめ決まっているわけではありません。

そのため更新するたびに、

「施工場所はどこに書けばいいのか」
「画像はどの位置に入れるのか」
「前回の記事と同じレイアウトにするにはどうすればいいのか」

といった判断を、更新担当者が毎回行うことになります。

過去の記事を参考にしたり、既存ページの構成を確認したりしながら更新することになるため、コンテンツの種類や更新頻度が増えるほど、担当者の作業負担も大きくなります。

お知らせや施工事例などの情報が混ざるリスク

通常の「投稿」では、カテゴリーを使ってお知らせや施工事例、ブログなどを分類することができます。

ただし、それぞれをカテゴリーで分けていても、管理画面上では同じ「投稿」の中で管理することになります。

たとえば、

  • 夏季休業のお知らせ
  • 新商品の紹介
  • ○○市の施工事例
  • イベントのお知らせ
  • スタッフブログ

といった異なる種類の記事が、同じ投稿一覧に並ぶ状態です。

投稿数が少ないうちは大きな問題になりませんが、数十件、数百件と増えてくると、目的の記事を探すのに時間がかかったり、投稿する際にカテゴリーを選び間違えたりする可能性もあります。

特に複数の担当者で更新している場合は、カテゴリーの選び方や情報の登録方法にばらつきが生じることもあります。

Web担当者が不在、デザインの崩れなどの弊害

企業によっては、専任のWeb担当者がおらず、広報や総務、営業などの担当者が通常業務と並行してWebサイトを更新しているケースもあります。

そのような環境で、更新のたびにレイアウトや画像の配置などを調整する必要があると、担当者によってページの仕上がりに差が出やすくなります。

たとえば、

  • 画像のサイズがページごとに違う
  • 見出しの付け方が統一されていない
  • 改行や余白の使い方が異なる
  • 必要な情報が抜けている

といった状態です。

また、担当者が変わった際に、それまでの更新方法が十分に引き継がれず、ページの作り方が変わってしまうこともあります。

このように、標準の投稿機能だけでさまざまな種類のコンテンツを管理しようとすると、情報が増えるにつれて更新や管理の負担が大きくなり、サイト全体の統一感を保つことも難しくなります。

カスタム投稿で情報を整理して運用を効率化

こうした運用上の課題に対応するために活用されるのが、カスタム投稿です。
サイト内で継続的に追加する情報を、その種類ごとに分けて管理できます。

カスタム投稿とは?

カスタム投稿(カスタム投稿タイプ)とは、サイトの用途に合わせて独自の投稿タイプを追加し、コンテンツを管理する仕組みです。

たとえば住宅会社のWebサイトで、「お知らせ」「施工事例」「スタッフ紹介」といった複数の情報を扱うとします。

「お知らせ」は通常の投稿、「施工事例」「スタッフ紹介」はそれぞれカスタム投稿として分ける、といった管理が可能です。

施工事例を更新するときは「施工事例」、スタッフ情報を更新するときは「スタッフ紹介」を開けばよいため、更新する場所が直感的に分かります。

実務での活用例

カスタム投稿は、同じ種類の情報を継続して追加していくコンテンツに向いています。

たとえば、

  • 施工事例
  • スタッフ紹介
  • 商品・製品情報
  • イベント情報
  • 物件情報

などです。

こうした情報を通常の「投稿」と分けて管理することで、更新する場所が分かりやすくなり、コンテンツごとの情報整理もしやすくなります。

特に、今後もページ数が増えていくことが想定されるコンテンツでは、最初からカスタム投稿として管理しておくことで、長期的な運用にも対応しやすくなります。

カスタム投稿にするメリット

カスタム投稿を活用すると、前述したような管理や更新上の課題を整理しやすくなります。

更新する場所が明確になり、作業負担を減らせる

「施工事例」「スタッフ紹介」「物件情報」などを、それぞれ独立したメニューとして管理できるため、更新したい情報がどこにあるのか分かりやすくなります。

コンテンツごとに投稿一覧も分かれるため、目的の記事を探したり、「どこから追加すればよいか」を確認したりする手間を減らせます。

情報が混ざりにくく、管理しやすくなる

通常の「投稿」の中にさまざまな種類の記事をまとめて管理する場合と比べて、コンテンツごとに投稿一覧を分けることができます。

目的の記事を探しやすくなるほか、異なる種類の記事を誤って同じカテゴリーで登録するといったミスも減らしやすくなります。

管理ルールを統一しやすくなる

コンテンツごとに管理場所を分けることで、「施工事例はここから追加する」「スタッフ情報はここで更新する」といった運用ルールも明確になります。

複数の担当者でサイトを運用する場合や、担当者が交代した場合でも、更新方法を把握しやすくなります。

このようにカスタム投稿を活用することで、情報が増えても管理画面を整理しやすくなり、更新時の迷いや作業負担を減らすことができます。

ただし、コンテンツをカスタム投稿として分けるだけでは、「どの項目に何を入力するか」まで分かりやすく整理することはできません。

そこで、カスタム投稿とあわせて活用したいのがプラグイン「ACF(Advanced Custom Fields)」です。

ACF(Advanced Custom Fields)で入力画面を専用フォームに変える

「ACF(Advanced Custom Fields)」を活用すると、更新する内容に合わせてWordPressの入力画面に独自の項目を追加できます。

ACFとは?

ACFとは、WordPressに独自の入力項目を追加できるプラグインです。

テキスト、画像、選択項目、日付など、用途に応じたさまざまなフィールドを編集画面に追加できます。

通常の投稿画面では、タイトルや本文を中心に自由に内容を入力しますが、ACFを使えば、

  • 商品名や価格などのテキスト
  • 画像
  • 説明文
  • 日付
  • 選択項目

といったように、入力する内容ごとに専用の項目を用意できます。

更新担当者は、それぞれの欄に必要な情報を入力するだけです。

入力された内容をWebサイト上のどこに表示するかは、制作時にあらかじめテンプレート側で設定しておけるため、更新のたびにレイアウトや表示位置を考える必要もありません。

このように、ACFを活用することで、更新内容に合わせて入力項目を整理した専用フォームのような入力画面を作ることができます。

ACFでよく使うフィールドの種類

ACFには多くのフィールドが用意されていますが、企業サイトでは特に次のようなフィールドがよく使われます。

テキストフィールド

会社名、商品名、住所、価格、肩書きなど、短い文字情報を入力するための項目です。

たとえばスタッフ紹介なら、

  • 氏名
  • 役職
  • 所属部署

といった情報をそれぞれ別の入力欄として用意できます。

入力する内容が明確になるため、「何を書けばいいのかわからない」という迷いを減らせます。

テキストエリア・WYSIWYGエディタ

説明文やプロフィールなど、ある程度まとまった文章を入力するときに使用します。

短い説明文にはテキストエリア、見出しやリンクなどの書式設定が必要な文章にはWYSIWYGエディタというように、用途によって使い分けることができます。

画像フィールド

画像を登録するための項目です。

通常の本文に画像を挿入する方法と違い、「ここにはこの画像を登録する」という場所をあらかじめ決められます。

たとえばスタッフ紹介ページで「プロフィール写真」という入力欄を作っておけば、担当者はそこに写真を登録するだけで済みます。

選択肢フィールド

あらかじめ用意された選択肢の中から情報を選ぶフィールドも利用できます。

たとえば施工事例で、

「住宅」
「店舗」
「オフィス」

といった選択肢を用意したり、採用情報で、

「正社員」
「パート・アルバイト」

を選択できるようにしたりする使い方です。

自由入力にしないことで、「正社員」「正規社員」など担当者によって表記が変わってしまうことを防ぎやすくなります。

日付フィールド

イベント開催日、竣工日など、日付を入力する情報に利用できます。

カレンダーから日付を選択できるようにすることで、入力方法を統一しやすくなります。

実務で重宝するフィールド活用例

ここからは、カスタム投稿とACFを組み合わせることで、企業サイトの運用がどのように変わるのかを具体例で見ていきます。

不動産サイトの物件情報管理

不動産サイトでは、1つの物件につき多くの情報を掲載します。

たとえば、

  • 物件名
  • 価格
  • 所在地
  • 交通
  • 間取り
  • 土地面積
  • 建物面積
  • 築年月
  • 物件画像
  • おすすめポイント

などです。

これらをすべて本文エディタで入力すると、更新担当者は毎回、項目名や順番、レイアウトを意識しなければなりません。

そこで「物件情報」というカスタム投稿を作成し、それぞれの項目をACFで入力できるようにします。

担当者は物件情報を登録するときに、

「価格には価格」
「住所には住所」
「間取りには間取り」

を入力するだけです。

表示されるレイアウトはあらかじめ制作側で設定しているため、新しい物件を追加しても基本的なデザインは統一しやすくなります。

さらに、「売買」「賃貸」などの分類や、「マンション」「戸建て」「土地」などの物件種別を選択式にすれば、情報の整理もしやすくなります。

物件数が増えても同じルールで登録できるため、長期的な運用にも向いています。

企業や店舗のスタッフ紹介

スタッフ紹介も、カスタム投稿とACFを活用しやすい代表的なコンテンツです。

たとえば、

  • 氏名
  • 役職
  • プロフィール写真
  • 得意分野
  • 趣味
  • メッセージ

などの項目を用意します。

更新担当者は各項目を入力するだけで、スタッフ紹介ページを追加できます。

本文を自由に編集する形式の場合、担当者によって、

「写真の大きさが違う」
「役職を書く位置が違う」
「見出しの付け方が違う」

といった差が生まれやすくなりますが、専用の入力欄にしておけば、一定の構成で掲載しやすくなります。

また、退職したスタッフのページを非公開にしたり、新しく入社したスタッフを追加したりといった更新も、通常の投稿と同じような操作で行えます。

店舗数やスタッフ数が多い企業ほど、更新作業を標準化するメリットは大きくなります。

よくある質問(繰り返し機能を利用)

よくある質問では、

「質問」
「回答」

という同じ組み合わせを複数登録する必要があります。

このような「同じ項目のセットを必要な数だけ追加したい」という場合には、ACF PROの「Repeater(繰り返し)フィールド」が便利です。
※Repeaterフィールドは有料版(ACF PRO)の機能です。

Repeaterフィールドでは、複数のサブフィールドを1つのセットとして、必要な数だけ追加できます。

よくある質問であれば、「質問」と「回答」を1つのセットとして登録し、必要な数だけ追加していく形で管理できます。

既存の質問を複製して内容を書き換えたり、レイアウトを整え直したりする作業を減らせます。

制作会社がACFを推奨する3つの理由

カスタム投稿やACFを導入する目的は、単に高機能なWordPressサイトを作ることではありません。

企業サイトにおいて重要なのは、「公開後も無理なく更新を続けられること」です。

制作会社の立場から見ると、ACFを活用するメリットは特に次の3つにあります。

運用の属人化を防ぐ

企業サイトを運営していると、

「このページは○○さんしか更新方法を知らない」

という状態になることがあります。

更新方法が担当者個人の知識や経験に依存していると、その担当者が異動・退職した際に更新方法の引き継ぎが難しくなる可能性があります。

また、新しい担当者が引き継ぐ場合も、操作方法を一から説明しなければならないケースがあります。

ACFを使って入力画面を整理しておけば、

「会社名を入力する場所」
「画像を登録する場所」
「説明文を書く場所」

が明確になります。

必要に応じて入力欄に説明文を付けることもできるため、更新方法を管理画面の中で分かりやすく示すことができます。

マニュアルを読まなければ更新できないサイトよりも、管理画面を見れば入力内容が分かるように設計されたサイトの方が、担当者の交代にも対応しやすくなります。

これは、Web担当者が専任ではない中小企業において特に大きなメリットです。

更新スピードの向上

更新作業の中で意外と時間がかかるのが、「どう入力すればよいか考える時間」です。

過去の記事を確認し、

「画像の大きさはこれで合っているか」
「見出しはこの位置だったか」
「この情報は表に入れるのか、本文に書くのか」

と毎回確認していると、簡単な更新でも時間がかかります。

専用の入力画面を用意しておけば、担当者は必要な情報を決められた項目に入力するだけで済みます。

特に施工事例、物件情報、商品紹介、スタッフ紹介など、更新頻度が高いコンテンツほど効果が大きくなります。

更新作業への心理的なハードルを下げることも重要です。

「更新するとレイアウトが崩れそうだから触りたくない」という状態では、せっかくWordPressでサイトを制作しても情報が更新されなくなってしまう可能性があります。

企業サイトでは、新しい実績やサービス情報などを継続的に発信することが重要です。

そのためにも、更新作業をできるだけ簡単にしておくことが、サイトを継続的に運用し続けるためのポイントになります。

保守性の向上

ACFを利用して情報を項目ごとに管理することは、更新時だけでなく、将来的なサイト改修にもメリットがあります。

たとえばスタッフ紹介ページのデザインを変更するとします。

本文に写真や役職、プロフィールなどを自由に入力している場合、それぞれのページの書き方が異なっていれば、ページごとに調整が必要になる可能性があります。

一方、

「氏名」
「役職」
「プロフィール写真」
「紹介文」

という形で情報が整理されていれば、保存されている情報をそのまま利用しながら、表示側のデザインだけを変更しやすくなります。

これは、Webサイトを長期間運用するうえで重要なポイントです。

サイトは一度制作したら終わりではありません。

運用に合わせて新しい機能を追加したり、数年後にはデザインを変更をする可能性もあります。

最初から情報と表示を分けて管理しやすい構造にしておくことで、将来の変更にも対応しやすくなります。

もちろん、ACFを導入すれば必ず保守性が高くなるわけではありません。

必要以上に細かくフィールドを分けたり、用途を考えず複雑な管理画面を作ったりすれば、かえって使いにくくなることもあります。

重要なのは、実際にサイトを更新する人の業務を理解したうえで、

「どの情報を更新するのか」
「どのくらいの頻度で更新するのか」
「誰が更新するのか」

を考えて管理画面を設計することです。

まとめ

カスタム投稿とACFは、WordPressサイトに機能を追加するためだけの仕組みではありません。

企業サイトにおいては、更新する情報を整理し、担当者が迷わず更新できる環境を作るための仕組みとして非常に有効です。

通常の「投稿」と「固定ページ」だけでもWordPressサイトを運用することはできます。

しかし、施工事例、物件情報、スタッフ紹介、商品情報など、同じ形式の情報を継続して追加する場合は、

  • 情報の種類ごとに管理場所を分ける
  • 必要な入力項目をあらかじめ用意する
  • 表示レイアウトを更新担当者が意識しなくてよいようにする

といった設計をしておくことで、日々の更新作業を大幅に簡略化できます。

企業サイトで本当に重要なのは、「更新できる機能があること」ではなく、実際の担当者が無理なく更新を続けられることです。

制作時に更新方法まで考えて設計しておけば、担当者が変わっても運用しやすく、ページ数が増えてもサイト全体のデザインや情報の整理された状態を保ちやすくなります。

「WordPressで作ったのに更新が難しい」
「新しい事例を追加するたびに制作会社へ依頼している」
「担当者によってページの作り方がバラバラになっている」

といった課題がある場合は、カスタム投稿やACFを活用して管理画面そのものを見直すことも、改善方法のひとつです。

Webサイトを制作・リニューアルする際は、公開時のデザインや機能だけでなく、「公開後に誰が、どのように更新していくのか」まで含めて設計することが、長く運用できる企業サイトにつながります。

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